第3章:受験ってそんなに大事?──合格がすべてじゃない理由
■ 受験=“人生の分岐点”?それとも“ただの通過点”?
日本では「受験=人生のすべて」と捉える風潮が今も強く残っています。
- 「いい大学に入らないと、将来苦労するよ」
- 「中学受験で失敗したら一生が決まる」
- 「高校受験で間違うと大学の選択肢が狭まる」
こうした言葉を子どもたちは日常的に耳にし、**“受験で勝つこと=人生の勝者になること”**という価値観を刷り込まれていきます。
しかし本当にそうなのでしょうか?
ここでは、「受験がなぜここまで重視されているのか」「受験は本当に大事なのか」を、教育制度や社会的背景、そして心理学・データの観点から掘り下げていきます。
■ なぜ日本では「受験」が重視されるのか?
日本の教育システムでは、中学受験・高校受験・大学受験と段階的に「選抜の仕組み」が設けられており、そこでの結果が進路に直結する構造になっています。
✅ 1. 学歴主義社会の名残
高度経済成長期以降、日本では「学歴=安定した職業・収入を得るための切符」として機能してきました。
- 東大・京大・早慶といった“高学歴”が大企業や官僚への登竜門に
- 偏差値の高い高校に行けば、良い大学に入りやすくなる
- 学歴がその人の“人間的価値”として評価されることすらある
このように、「努力すれば上に行ける」という**“階段型の社会”**が、今も多くの家庭や教育現場に根付いています。
✅ 2. 塾産業・模試産業との連動
受験が商業的にも大きなビジネスであることも、受験重視社会の一因です。
- 年間6,000億円を超える塾産業市場
- 各種模試・対策講座・教材などの販路
- SNS・広告でも“合格実績”がブランドになる
つまり、**受験が「個人の問題」であると同時に「社会全体の構造」**として組み込まれているのです。
■ 受験が「子どものすべて」になってしまう弊害
受験が大切なのは間違いありません。しかし、「すべて」になってしまうと、大きな弊害が生まれます。
❌ 1. 自己肯定感が「合格/不合格」に左右される
「落ちた=ダメな人間」と思い込む子が少なくありません。これは極めて危険です。
実際には、合格も不合格も“その時の点数”に過ぎず、その子の人間的価値とは無関係です。
❌ 2. 他者との競争ばかりを意識するように
「友達より順位が下だった」「模試の偏差値が平均以下だった」など、他者比較ばかりが評価基準になってしまいます。
このような環境は、ストレス・不安・無気力を引き起こしやすく、学習意欲そのものを損なうことも。
❌ 3. 本当にやりたいことが見えなくなる
受験勉強に追われすぎて、
- 「自分が将来何をしたいのか」
- 「どんな人になりたいのか」
- 「何のために勉強しているのか」
といった根本的な問いを考える余裕がなくなる子が多くいます。
■ 受験の「意味」は、合否ではなく“努力の過程”にある
それでも、受験が持つポジティブな面もあります。
✅ 自分の努力が“目に見える結果”として返ってくる
定期テストとは異なり、受験では長期的な計画・継続的な努力・試験本番での実力発揮が求められます。
これは社会に出た後に必要とされる「自己管理能力」「計画性」「目標設定力」などの訓練にもつながります。
✅ 成功体験・失敗体験の“意味づけ”が成長を促す
たとえ不合格でも、「あのときあんなに頑張れた」という経験は、自信の土台になります。
また、成功しても「自分だけの力ではなかった」と気づくことで謙虚さも育ちます。
つまり、受験は“結果そのもの”よりも、“その過程をどう受け止めるか”が大切なのです。
■ 海外と比べてみると…日本の受験って異常?
世界を見渡すと、日本の受験文化がどれほど“特殊”かが分かります。
| 国名 | 大学入試の特徴 | 備考 |
|---|---|---|
| アメリカ | GPAとSAT+課外活動・エッセイ重視 | ボランティアやリーダーシップ経験も評価対象 |
| フィンランド | 共通試験ありだが進学率は高い | 学力格差が小さく、塾文化はほとんどない |
| 韓国 | 修能試験(スヌン)が人生を左右 | 受験競争は日本以上に熾烈 |
| フランス | 高校卒業試験(バカロレア)がカギ | 筆記・口頭・論文の総合力が問われる |
つまり、日本のように**「偏差値」や「一発勝負の得点」だけで進路が決まる構造**はむしろ少数派です。
■ 本当に大切なのは「受験の先」にある未来
ここで一度、自分自身またはお子さんに問いかけてみてください。
「あなたは、なぜ勉強しているのですか?」
- いい高校に入るため?
- 親に怒られないため?
- 偏差値が高いと“すごい”と思われるから?
……それだけでは、学ぶことの意味がとてももったいないです。
勉強とは:
- 自分の世界を広げる手段
- 社会で生きていくための道具
- 自分の好きなことに気づくためのヒント
だからこそ、受験に振り回されるのではなく、“受験を利用して”自分の未来を切り拓く姿勢が大切です。
■ 受験はゴールではない。「選択肢を増やす」ためのツール
まとめると、受験が大切なのは、
- 将来の選択肢を増やせるから
- 今の努力が、未来への「習慣」になるから
- 自分自身と向き合う貴重な機会になるから
であり、“合格の有無”がすべてではありません。
また、もし第一志望に届かなくても、人生は終わりではなく、
どの環境でも“どう学び、どう生きるか”でその後の人生は大きく変わる
のです。
受験は通過点。でも、その“通過”がうまくいくかは、今のサポート体制にかかっています。
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